ドイツに学ぶ働き方

海外居住経験も留学経験もない筆者が2018年から2019年にかけてドイツに海外転勤。その時学んだ違いを徒然なるままに。

だいたい契約による

どもーdomoです!

 

今日はドイツでの雇用形態について書きます。

ドイツにいた時、人事的なことについて同僚に聞くと、だいたい「It depends on the each contract」(それは個々人の契約による)と言われます。

 

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わかりやすいところで言うと、お給料や就業時間も契約によって違います。

例えば私のいた会社は州による就業時間の規制があり、ある一定の割合の人しか週40時間労働が認められておらず、過半数はどれだけ仕事がしたくても週35時間労働の契約で働いていました。

残業もこれまた認められていないので月ごとに必ず就業時間の帳尻を合わせないといけないため、どれだけ忙しそうにしていても16時頃になると「チュース」(ドイツ語のバイバイ)か「チャオー」(イタリア語のバイバイ)と言って颯爽と去って行きます。

余談ですがこの時ウインクをしてくる人もいますが向こうでは普通なので勘違いしてはいけません。

 

話を戻すと、ただ中には特別な契約で働いている人もいます。例えば私と同じチームの同僚でドクター(博士号)を取ってから入社した同僚が居ました。

直接聞いたわけではありませんがその人は就業時間の管理をされない上に、月給€5000(60万円程度)を超えると聞き、衝撃を受けました。

このように個人の雇用形態は個々人の就業契約によるため、一般的にスキルが必要であったり、出来る(またはやりたい)人が少ない場合には高い報酬が得られます。

日本では新入社員で同じ給料からスタートし、多少の差はあるものの数十年間スキルや能力・経験に関わらず同じ社歴であれば同じぐらいの給与で働くのが一般的かと思います。ドイツにいた時、むしろこれは「フェア」ではなく「アンフェア」だなと感じました。

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また一般的な日本企業では給与の交渉も出来ないため、能力が給与に見合わない優秀な人材は辞めてしまうのです。これは本当にリスキーで、会社は往々にして優秀な一部の人のおかげで成り立っていることが多いと思います。これらの人が会社の利益を生み出しているわけで、この人たちが会社を去れば、利益を生み出せない人だけが取り残されてしまい、会社が前に進めなくなってしまいます。

 

昨年SONYが新卒採用で700万を支払うといってニュースになっていましたが、能力が高い人に高い給与を支払うことは、もしかすると日本の世間一般的には「アンフェア」なのかも知れませんが世界的にみると「フェア」だと思うのです。

早くこの「不平等主義」をやめないと日本産業が衰退してしまいます。

 

domo

人間といふもの

どもーdomoです!

今日は文化の違いについて書きます!

 

早速ですが人間といふものは言語の壁やバックグラウンドを超えれば基本的に理解しあえると思ってます。

むしろその辺の言語の壁やバックグラウンドよりも学歴だとか人としての教養の方が圧倒的に大きくて、相手のことを「分かろうとする力」が「自分の思う通りに進めたい力」を上回ると別に何人だろうがコミュニケーションに支障をきたさないと思います。

 

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私がドイツにいた頃、小さい子供たちにニィハオとよく話掛けられていましたが、彼らは完全に東洋人のことを馬鹿にしていると思います。 ただ、これに関して否定するつもりは一切なく、例えば日本人のクラスに欧米人が一人いても「みんなと違う」少数派であることを理由に馬鹿にすると思うのです。

ここで分かる悲しいことは人は自分よりも弱い立場の人を見つけてそれを馬鹿にしたり蔑んだり、自分が人よりも優れているということに喜びを感じる悲しいものであるということなのだと思うのです。

 

大人になった今になるとくだらないことだと思うのですが、これがあるから戦争は無くならないのだとも思います。

 

残念ながら人間の本質は生まれたところや皮膚や目の色で変わったりはしないのです。そしてその本質は子供がやっていることに近いと思うのです。

 

domo

性善説・性悪説

どもーdomoです!

よく言われる話ではありますが性善説性悪説について書きます。

ドイツでは、性善説(人間の本性は基本的に善である)に基づいている、逆に日本は性悪説(人間の本性は基本的に悪である)に基づいていると気が付きました。

 

最初にこれを感じたのは近所の家でした。

最初見たとき衝撃的だったのですが、私の住んでた家の近所には玄関の扉のガラスが透明(外から中が見える)な家が良くありました。出勤するときには中で朝食を取っている優雅な夫婦の姿が丸見えでした。

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他にも電車に乗ろうとチケットを買おうとしていると、グループチケット(複数人で乗ると安くなるチケット)の1枠空いてるから一緒に乗ろうよ!と見ず知らずの人に声を掛けられることもあり、日本とのギャップに驚きました。

 

そう思うと、日本人は基本的に知らない人(自分のコミュニティ外にいる人)に対して警戒心を持っていて、いつも急いでいるのかちょっとしたことでイライラしているように感じます。

 

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仕事においても日本では定時に出社しないと「遅刻」とみなされ、必ず事前に会社に連絡するように言われることもまだ多いと思います。にも関わらず残業するときは何も言わなくてよかったり、むしろ定時で帰ると驚かれることもあったり意味不明です(笑)

 

話は少し変わってドイツでは自分の誕生日にスイーツを持参するのが普通です。

時と場合によりますが10時とかになるとケーキが出てきてプチ誕生パーティーが開催され、普通に就業時間内に30分とか喋ってます(笑)

人によってはすぐに仕事に戻るのでこの辺は人に任されているのですが、ちょっと仕事してなくても誰も何も言いません。

いい意味で人の仕事に干渉したりしないのです。

これについては良い面も悪い面もあるのですが、基本的に各個人が自立したプロであるという共通認識があるからというのも一因だと思います。

これについてはまた今度書きます。

 

では。

 

domo

なにそれ、内線?内戦?肉弾戦?

どもーdomoです。
今日は日本でよくある内線について。
ドイツにいた頃は内線番号とか気にせず電話できました。
理由はCisco Jabberの電話システムを使っていて、PCから内線、外線問わず名前で検索してクリックするだけで電話が掛けられたからです。
ただ電話を取るときもPCに掛かってきて、いちいちヘッドセットを付けるのが面倒なのでPCとリンクする電話機も基本的に1人1台支給されて、そっちで電話を取ることも出来ます。
 

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ドイツの人は人の電話を取らないことも多いのですが、取ってもあまり意味がないからだと思います。掛かってきた電話は誰からいつ掛かってきたか履歴が残るし、チャット機能もあるので要件は自分で残せるためです。
ただ緊急の案件があるような社歴の長い人はケータイが支給されます。
 
一人一つの電話番号があるため、着信音が死ぬほど小さいです。
日本では考えられません。
 
逆に日本に帰ってきて着信音の大きさにひきます。完全に目的を見失っています。
自分が気が付くための音量を完全に上回っています。
なにがしたいの?
 
話を戻して次に会議について。
ドイツではTV会議や電話会議も基本的に自席から出席します。
会議室を探すのに時間をかける必要がなくて、とてもいいシステムだと思っていたのですが、たまに近くの人が別々の会議に出ていると集中できない問題があるそうです。
一応3人以上の場合は会議室や打ち合わせスペースでやるルールがあるそうなのですが、そんなこと言っても会議室空いてないじゃないかという文句は万国共通のようです。
 
domo

バケーション

こんばんはーdomoです!

今日は当たり前ってないんやな、と思った出来事の1つについて書きます。

 

ドイツでは有休消化率が100%です。

これは決まりらしく、全員問答無用で取らされます。

 

また日本より祝日が10日ぐらい少なく、年末年始含めて会社指定の休日は土日除くと数日しかないです。

目安として私の場合で言うと、

日本:祝日+会社指定休日=20日 有休=20日

ドイツ:祝日+会社指定休日=10日 有休=30日

みたいな感じです。

仮に2週間丸々休んだとしても10日しか有休使わないので、そんな感じの休暇を年に3回使うのが普通です。

 

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ある日に既婚者のドイツ人の同僚と今度のVacationはどこ行くのという話をしていて、彼はが

「ドイツの北の方の島に行ってのんびりしてくるよ」

※ドイツには海がほとんどないので湖と海は貴重なレジャースポット

と言ったので、

「いいね、子供と奥さんと一緒に行くの?」

と聞くと、

「いや、一人だよ」

 

・・・「???」

 

 

これを聞いたときに衝撃だったんですけど日本ではありえなくないですか?

 

その家庭は共働きなので交代でそれぞれ休みを取って子供はパートナーに任せるというスタイルにしているようです。

 

子供が居ながら自由に生きる一つの手段ですよね。

 

ではまた。

domo

定時って美味しいの?

どうもーdomoです! 訪問いただきありがとうございます。

初心者による記念すべき第1回目の投稿ですので記事のクオリティが低いことご了承ください!

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このブログは海外居住経験もなかった自分がドイツに海外赴任して学んだことを徒然なるままに書き記すブログです。

これから海外に住んでみたい・働いてみたい、または働き方を参考にしたいという方に向けて発信していきます。

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まず本題に入る前に私の自己紹介を。

この記事を書いてる時点で30代前半、メーカーの商品開発に携わるエンジニアです。

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短いながら海外赴任させてもらって、自分自身の考え方がかなり変わったので少しでも多くの人の参考になればと筆?キーボード?を取りました。

細く長く続けるのが目標ですので是非暖かく優しい目で末永くお付き合いください。

 

早速今回の本題ですが私の出向していたドイツの会社には定時の概念がありません。

これは会社によるようで、私の知る限り他の会社から転職して来た同僚はみんなこの会社に来て前より働く時間がFlexibleになった、と言っていました。

定時の概念がないので当然朝礼や終礼みたいなものはなく、みんな適当な時間に来て適当な時間に帰っていきます。 さらにほとんどの人は週35時間労働の契約なので16時を過ぎると事務所からほとんど人がいなくなります。

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なぜこんなに早く帰れるのか最初不思議でしたが、結局は決められた時間内でできることをする、ということだと思います。

ドイツ人は日本人と同様に真面目なので所定の時間で最大限やれることをやろうとしますが、残業が禁止されている以上それ以上のことはどうやってもできません。

なので諦めます。また、できなかったことに対して責任を問われることはありません。

 

では溢れた分はどうするのかというと、それを考えるのはすべてリーダーの仕事です。

リーダーは部下の残業時間を管理する義務があり、これが目標を上回ると上司の評価が下がります。また、その上司の残業時間もその上司の評価にかかわるため、全員が就業時間にシビアです。シビアだからこそ、必要なことを取捨選択して優先順位が低い業務は平気で後回しにしたり、やらなかったりします。

結局のところ、今、何をすべきかちゃんと考えるだけだと思います。

 

 

 

みんな家に帰った後は通信制修士学位をとるための勉強をしたり、ジムに行ったり、家族との時間を楽しんだりしているそうですが、若い人は特に自己成長に使っている印象です。

日本でもこんな風にみんなが会社に対して依存せず、充実した人生を過ごせるといいなと思います。 

 

それではまた。

domo